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歯周病治療の成功のキーポイント
Periodontics
歯周病を進行させる原因は、細菌性のもの、力(非生理的な、不必要な)によるもの、悪習癖などの様々な原因によって引き起こされます。
病気を治癒させるためには、原因を探ることが大事です。しかし、最初から原因が簡単にわかることはほとんどありません。まずは、患者様の現在の状態を徹底的に把握することから始めなくてはなりません。
主には、歯肉ポケット、歯周ポケットと言われる部分を計ります。
またどの程度精密に行うかがとても重要と考えます。
当院では一つの歯に対して、全周計測する、6点法を常に採用し、歯周組織のわずかな変化を見逃さないように努めております。その数値により、治療方針や計画を立案します。
またそれに付け加え、ブラッシングの状態、磨き残しのある部位のリスク管理、口腔内の唾液、歯周病菌の状態などの検査などを加えることによって、問題をより絞り込んでいく必要があります。
またその時点での検査で全てがわかるわけではなく、継時的な変化といい(時間の流れの中でどのように悪化しているのか、改善しているのか)を知る為、適切な時期に何度か行っていきます。
一般的には歯周病治療の流れに従い、初診時、基本治療終了時、確定的治療(歯周外科、インプラントなど)、機能回復治療後に行われます。
歯周病の改善のためには、歯周組織の精密な検査が必要です。
歯茎の中やその周囲をよく調べることで、歯周病の進行状況や回復状況をチェックします。
歯周ポケットの深さや出血などから、
歯周病の進行度や炎症の
有無がわかります。
一般の方の思うイメージでは、優れた医師は瞬時に患者の状態、病気の原因がわかり、すぐに処置ができるというイメージがあるのではないでしょうか?それは、おそらく、ドラマなどで描かれるERのような救命救急や天才外科医などのイメージによるものと思われます。
もちろん、上記のような医師は優秀な医師であるのは、言うまでもありません。しかし、少し視点を変えて考えてみましょう。
ERは死と隣り合わせの救命救急であり、瞬時に今起こっている問題を特定し、その時最善の処置を行うことでしょう。しかしこれは、外傷や持病の急性症状などの緊急処置です。それにいたる原因を探っていく処置ではありません。
歯科の世界では、初診時急性症状の痛みを訴えて来院される患者様が多くいらっしゃいます。
その処置が緊急処置にあたります。しかし、この場合それに至った原因をさぐり、それを治療しなければ、対症療法で終わり、再度その症状、病気を繰り返すことになりますし、さらにその他の疾患を生む原因になりかねません。
天才外科医のすごい手術の場合は一番派手なところを描いているのであって、そこに至るには、臨床検査、内科医などによる身体の状態管理等を経て、確定診断の後行われるのが、手術です。むしろそこに至るまでの部分はとても重要です。ちなみに、もちろん天才外科医という医師は医科の世界でおられるでしょうし、歯科でも存在します。
医科のことは私にはわかりませんが、歯科の天才外科医と言われる医師であればあるほど、特殊技術を持っているだけではなく、基本を大事にし、教科書通りのことをどれだけ平常心で確実にいかなる条件でも変わらず行える医師のことのように思います。
つまり特別な異質なものでなくどれだけ、いつも通常通り行えるかと言うことです。歯周病の中等度までの状態を確実に治癒に導き、重度歯周炎の一部をプロトコール、論文に従い処置するということで、決して保存不可能な歯を不用意に保存することではありません。
そのため、どのような歯でも治せる、保存できるということではありません。総合的な判断をするためにもっとも大事なことは正確な検査と診断と考えます。
Periodontics
歯周病の原因の一つに噛み合わせが考えられます。
私たち人間は下の顎を動かすことによって様々なことを行なっています。それを下顎運動と呼びますが、主に2種類に分類されます。
基礎基本運動、機能運動です。基礎基本運動の方では、主には意識的に口を動かし、開閉口をしたり、横方向にこするようにする動きなどを言います。
機能運動は、発語、咀嚼、嚥下のような無意識下で行われるものです。
発語(母国語の場合)、咀嚼、嚥下の時にどのようにやろうと意識したことはないのでしょうか?
意識的になるとすれば、母国語以外の外国語を発音する時、痛い歯があってそれをさけて食事をとる、もしくは不適切な義歯(入れ歯)などが入っている時、嚥下障害が起こってしまっている時など、通常な状況ではありません。
ここでは歯周病に関連のあることを中心に考えてみます。
我々人間にとって最も重要なことは、咀嚼することではないでしょうか?
咀嚼をするためには、歯の周りにある歯根膜と言われる、脳神経由来の神経が食物を介して、圧力を受けることにより、歯根膜内の受容体(センサー)がそれを感じ取り、脳に情報を送ります。その後、脳からのフィードバックという情報を得て、どのくらいの力とリズムでどこで噛むかを決めています。そのために歯周病や悪習癖などによってセンサーが壊れてしまっている場合には、正常な情報のやり取りができなくなりますし、また脳からのフィードバック通りに咀嚼しようとすると痛い部分や先に当たってしまうような部位がある場合はそれを避ける動きをとるとされています。
それは体の組織を守るための人体の仕組みであると同時に、内科でいうところの自己免疫疾患のように自分で自分を破壊してしまう状況に似ています。例えば、強く当たるところの歯を揺らして、強くあたらないようにしたり、痛みのある歯などを避けるために他の歯の位置を変更してなんとかして、咀嚼のための圧力を受け止めるなどです。やがて、歯周病が先か、噛み合わせの問題が先かは別として、結果、歯の位置異常や咀嚼障害、歯周病の重篤化というような状態に陥ってしまいます。
歯周病はそもそも咀嚼をするために必要な歯周組織が侵されてしまい、歯が通常通り働きにくくなってしまっている状態です。
しかし、噛み合わせは、残念なことに目で確認することができません。そのため、可視化と言い、目で見える状態に検査機器を使用し、観察しなければ、わかりません。
よく、我々歯科医師の間もしくは患者様で噛み合わせが悪いという表現を使いますが、本来は噛み合わせが悪いと言うのは、専用の検査機器での検査なしでは言うことができないことを意味します。
おそらく一般的に噛み合わせが悪いと言うのは歯並びもしくは、基礎基本下顎運動時の歯の位置が良くないの意味であることが多いのではないかと考えます。矯正の項目で触れますが、前述の基礎基本運動と機能運動は分けて考える必要があると考えます。
ここでの噛み合わせはいわゆる機能運動の特に咀嚼運動の部分のお話です。
歯周病の状態が進行されている患者様は、下顎の基礎基本運動、機能運動ともに問題をおこしている場合が多く、精密な歯周病治療のためには、現在の状態を検査結果により把握し、なにがどの程度ずれているかによって治療計画を立てることが重要です。
歯科治療の目的の一番は咀嚼の回復ではないでしょうか?咀嚼状態の評価なしには治療の評価は正確に行えません。
歯周病、噛み合わせでお悩みの方は一度検査をされてみてはどうでしょうか?
お気軽にご相談ください。
咬み合わせの位置の確認中
咬み合わせの位置の決定後
ワックスを盛り上げてみたところ
Periodontics
矯正治療というと、見た目を治すための治療で、小さい子供が行うもしくは、大人の女性がコンプレックス解消や美しくなるために行うというイメージをお持ちではないでしょうか?
もちろんそれはとても大事です。しかし、本来の矯正治療は、美容のためにあるわけではなく、れっきとした治療です。歯周病の改善にも矯正治療は切り離せないと多くの歯周病治療を行う歯科医師は考えています。
前述(噛み合わせの項)の下顎の運動(基礎基本運動、機能運動)が周りの歯周組織、顎関節、歯と調和していないと歯周病は悪化していくもしくは、改善しません。
そのため、歯周病を改善するためには、歯は正しい位置にあるべきであると考えられます。
① もともと正しい位置にない場合(幼少期より)
② 本来の位置から歯周病によって移動してしまった
③ 治療しないで放置してしまったなどの理由で動いてしまった
④ これから選ぶ治療によっては歯の位置が重要になってくる
⑤ 残っている歯を健康に保つために歯の位置が重要だ
などの時には矯正治療にて歯の位置を適切にする必要があります。
これによって、歯にかかる力が正常化し、周囲組織との調和を取りやすくなり、歯、歯周組織が長期にわたって維持安定する可能性が高まります。
某大学の矯正学の先生の研究によると、8020達成者の咬み合わせ(歯並び)をみてみると、その多くの方が正常咬合と言われる、正しい位置に歯がある人であったそうです。
※8020とは80歳で20本の歯が残っているようにしようという我が国で行われている、活動や運動(8020運動)
これは一つ、咬み合わせ(歯並び)が重要、歯を失わなくさせる要素として重要であることの後押しではないでしょうか?
歯周病でお悩みのあなたの咬み合わせ(歯並び)はどうでしょう?
また今までかかった先生にそのようなことを言われたご経験はございませんか?
矯正治療を計画する場合には事前に矯正専用レントゲン撮影や移動目標を考えて行います。下記のような検査、診断を行わないと、あくまで経験や勘に頼った治療結果になりがちです。経験豊富な矯正専門医が治療を担当させていただきます。
(院長は矯正治療を担当いたしません、矯正医についてはスタッフ紹介を参考になさって下さい。)
初診時
矯正専用レントゲン
セファロレントゲン
矯正治療の前の
移動目標を決定する場合に
作成する模型の例
初診時
矯正終了の確認のための再評価時
初診時
矯正終了の確認のための再評価時
患者様が矯正治療を行う時に心配なさることの一つに見た目のことをおっしゃいます。
最近はあまり目立たないタイプのものがあるのをご存知ですか?
Ceramic Brace
セラミックスを使用しワイヤーやブラケットと言われる歯につけるボタンなどを白く仕上げることも可能です。ご相談ください。
噛み合わせの項で述べましたが、歯周病と噛み合わせには関連があり、そこで、少々複雑ですが、噛み合わせと咬み合わせ(歯並び)はわけて考える必要もあると言うことです。
咬み合わせと表現させていただきますが、いわゆる患者様向けには、歯並びと言った方が理解しやすいと思います。
そもそも、下顎の運動をスムースに行い、お口の健康が保たれ、自由に咀嚼、嚥下、発語を行うためには、顎関節、歯、歯周組織、咀嚼筋などの顔面周囲の筋肉が協調活動して行われる必要があります。
見た目である程度判断がつくのが歯並び(咬み合わせ)であり、見た目でわからないものを噛み合わせとしましょう。
つまり、歯並びがあまりよくなくても噛み合わせが悪くない人は存在すると言えますし、歯並びが一見良いように見えても噛み合わせが良くない人も言えると言えると考えます。
前者の例としては、歯並びは良くないが歯周病や咀嚼障害のない状態の患者。
後者の例としては、矯正治療や、補綴治療(被せ物などの歯科治療)で見た目の歯並びは綺麗になっているが、筋肉や顎関節とはうまく調和していなく、噛み合わせや嚥下、発語などの機能に問題をかかえていらっしゃる患者。
などいらっしゃいます。
顎関節症などと一般的に言われているものの中にもこのような症状を含むものもあります。
噛み合わせ、咬み合わせ(歯並び)にお悩みの方はお気軽にご相談下さい。
Periodontics
精密な歯周病治療、補綴治療(機能回復治療、被せ物治療)には仮歯での管理は必須です。
仮歯とは治療中にそれぞれの目的をもって使用される本物ではない歯のことを言います。
以下に仮歯の目的、種類、治療例をあげます。
歯冠補綴装置の製作に際し、形成された支台歯を暫間的に被覆するクラウンやブリッジ。
などを目的として作成されます。
(歯科補綴学専門用語集 第3版 2009 公益社団法人 日本補綴歯科学会 編)より引用
最終補綴物に置き換える前に、咬合、審美性、安定性、機能性などの観点から一定期間使用することを目的としてつくられる固定式または可撤式の補綴物。
オクルーザル・リコンストラクションでは治療上欠かせないものとなっている。
この補綴物は特定の治療計画の効果や最終補綴物の設計の確認のための補助手段に用いられる。
GTP-6ではプロビジョナルレストレーションという従来の呼び方をインテリム・プロセーシスinterim prosthesis(暫間補綴物)と改めている。
(新編 咬合学辞典 編集 保母 須弥也 より引用)
欧米諸国ではこのように主に3種類の仮歯を使い分けて、治療をすすめることが多いようです。現在、我が国でも学生教育、研修医の研修時期にもこのような仮歯を使用する必要があることは教育されていますが、現時点ではこの考え方は保険診療に積極的に取り入れられてはいないのが現状です。
もちろん、全員の患者様に必要なわけではありませんので、仮歯を装着する必要が無いケースもたくさんあります。
主に、歯周病治療が必要、保険外の精度の高い歯を入れたい、前歯にきれいに歯をいれたい、かみ合わせを治したいなどの方は必要になります。
また、他院にて作成された仮歯が合わない、なんの理由で何回作成するのかわからないなどのご相談も受け付けています。
お気軽にご相談ください。
before
after
この患者様は左の状態で何年もすごしていて大変困っていたそうです、しかも通院しているのにもかかわらずです。
仮歯は作ればその日のうちに壊れてしまっていたようです。食事はバナナやヨーグルトのような噛む必要のないものを食べていらしたそうです。
この方のような場合まず、歯がある状態にしてからでないと治療ができません。
そのため、まず最初にトリートメントレストレーションを全体に作らせていただきました。
普通の食事が取れるようになったとのことでした。
右の状態は治療終了ではなくこの状態から初めて歯周病治療や根管治療を始めていき、そのような土台となる治療終了後、すべて本物を作成します。もちろん、最終のかぶせものに関しては、再度どのような材料で作成するかは相談させていただきます。
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歯周病とは、歯茎と歯を支えている骨の病気です。
下図はいっけん問題なさそうに見えますが・・・歯肉を切開してみると歯をささえている骨がなくなっています。
歯周病の病態の特徴は、歯周病原性細菌に感染してしまった歯周組織はその細菌の作用と自身の免疫反応を含めた炎症によって、歯周組織の破壊を行なっていきます。
つまり一部は、自己免疫疾患のような状態で自身の体自体が、歯を支える歯槽骨という顎の骨を溶かしてしまいます。
細菌を取り除く一番確実で簡単な方法は感染してしまった歯を抜歯(抜く)することです。
しかし、歯周病患者様の多くは、歯の保存を希望されますし、実際に感染ある歯を積極的に抜いていってしまっては、歯周病は治りますが、歯を失い、今度は機能障害(とくに咀嚼、発語ができなくなる)が起きてしまいます。そのため、患者様、歯科医師双方の願いは感染を取り除き、健康な状態に戻し歯の抜歯を避けることを望んでいます。
ではどのようにすれば、歯周病原性細菌を取り除き、感染を取り除くことができるでしょうか?
歯を残すための治療は保存修復(虫歯治療・根管治療)、歯周病治療が基本になります。
左図のような構造をしている歯は実は、このような一般的な図で見るほど単純ではなく、中には、無数のミクロン単位の管や溝、穴が通っています。
そこに細菌が住み着いてしまったものを取り除くことはそう容易なことではないのです。
歯の中の感染を取り除く治療が根管治療であれば、歯の外側の感染を取り除くのが歯周病治療です。
歯周病治療の基本は歯石を取り除き、感染した歯の表面をきれいに研磨や削ることによって細菌を減らし、細菌はもちろん、自身の過剰反応を止めることにあります。
一般の方が想像するとすれば、何十年も専門的な清掃を受けてこなかった、昔ながらの中華料理店の油汚れを完璧に取り除き、開業当時のようなきれいな状態に回復できるでしょうか?もしくは海のテトラポットについたフジツボをすべて取り除き、これもまた新品のような状態にできるでしょうか。しかも海に浮かんだ状態のままです。
決して言い過ぎではなく口腔内という湿潤状態で湿気がとても多く、菌の宝庫である場所でお掃除をするのが歯周病治療であり、その最高峰が歯周外科処置のひとつである歯周組織再生療法です。
口腔内には億単位の細菌が住み着いています。まず、歯が有る限り我々人間は歯ブラシによってブラッシングをすることで、細菌の停滞を防がなくてはなりません。そのため衛生士や歯科医師と協力をして適切なブラッシングを身につけていただく必要があります。
これをセルフケアと言います。
その一方で我々プロの行う細菌除去の方法をプロフェッショナルケアと言います。
このどちらもかけてはいけないもので、歯科医師や衛生士がいくらプロフェッショナルケアを行っても患者様がセルフケアを怠れば、治癒へは向いていかないし、もちろん患者様のブラッシングだけでは当然治癒していきません。
セルフケアの部分では効率的、効果的にブラッシングが行えるようにプラークの染め出しによる歯ブラシ指導、歯ブラシの処方、細菌検査、効果的な洗口剤や薬などを併用して細菌の除去を行っていきます。
プロフェッショナルケアでは一般的に歯周病の細菌除去のステップは治療を中心に考えると3Stepで考えていただけるとわかりやすいと思います。
健康な状態
歯肉炎
初期歯周炎
中程度歯周炎
重度歯周炎
Step1
Step2
Step3
などの場面で非常に有効な治療法で、欧米諸国では当然のように行われるようです。
しかし、我が国では、一般的というまでにはなっていないのが現状のように思われます。理由は
① 歯科医師自体がその治療を行う、知識、技術を持っていない、または必要であると考えていない
② 保険診療の範囲では必ずしもこのような治療を行う環境にない
③ 患者様側の知識の不足などにより積極的に受けようと考えにくい
などの理由があるように考えられます。
歯周基本治療後の再評価の結果に基づいて必要に応じて歯周外科治療へ移行します。
歯周外科治療は、以下のような場合必要になります。
根面を直接みて、歯石の取り残しや悪くなった歯肉を除去します。 炎症を除去し、キレイになった根面に歯肉が付着することを期待します。
再生療法とは失われた骨を取り戻すための手術です。歯周組織検査などの結果から、適応症と判断された場合、EMDやGTR等の再生療法を行います。
他の術式ではわずかしか期待出来ない骨の再生が得られる場合があります。写真はエムドゲインゲルを用いた再生療法後に矯正治療を行ったケースです。
虫歯が深い(歯茎の下まで進んだ虫歯)場合、そのままでは全てを取り除くことが出来ません。
歯肉や歯槽骨の位置関係を変えて、虫歯を取りきれる状態にします。写真は外科処置後に仮歯を入れたところです。
(虫歯が深すぎてしまう。もしくは残る骨の量が少なくなってしまう場合は抜歯になります。)
歯に近い部位まで小帯が延びてきていたり、歯肉が軟らかい粘膜になったりすると、歯ブラシ当たって痛いため、十分なブラッシングが出来ません。
このような時は、しっかりした歯肉をその部位に移植し、歯磨きしやすい環境を整えます。
患者様の審美的要求が高い場合、歯と歯肉の位置を左右対称に整えたり、歯を美しい形に調整したりすることができます。
写真のケースは、仮の歯にした後に歯肉のラインを整え、歯肉が治ったところで最終的にセラミックスの冠をセットしました。
右上のX線写真では前医より経過観察することを勧められたそうですが、小臼歯の根の先が黒く写り種々の条件より歯が割れていることを疑い、
アクセスフラップ(確かめるために歯茎を開く歯周外科)を行いました。すると、案の定、歯が割れているのを確認することができました。
もし、発見が遅れて経過観察を続けると骨を大きく失うことになっていたでしょう。
歯周外科が必要な場面の2で紹介させていただいた歯周組織再生療法について詳しく説明いたします。近年、歯の保存を強く希望される患者様や歯茎の美しさまでを求めるニーズが広がりつつあります。その中でも歯周組織再生療法は患者様の歯を保存したいという希望を叶えるためには、なくてはならないものです。
患者様、歯科医師双方のニーズのせいもあり本法に用いる、再生のための生体材料や、術式(手術の方法)などの多くが世界中で発表されるようになりました。また昔であれば、できなかったようなことが実現できるようになった報告も多く見られます。
その術式や材料の知識、技術をいち早く取り入れ、患者様に提供することが、歯を保存することを専門とする歯科医師には必要と考えます。
前述のように歯周病治療の基本は歯の外側の感染を徹底的に取り除くことです。それとは別に物理的に失われた骨を回復することによって、歯の物理的強度を回復しなくてはなりません。
というのは感染をとりのぞくことにより、周囲の歯肉、歯根膜の状態が健康な状態に戻ります。そのためある程度の、物理的強度は回復するのですが、単純に支えている骨が少なければ、歯の揺れは抑えられません。その場合は健康な歯と被せ物などでつなぐことで、補うことをするのですが、本来歯は自然の状態ではつながれてはいません、そのため、歯の十分なセンサーを働かせるためには、本来歯のあった状態に戻す必要があります。骨の失われた状態を図で示します。その失われた部分をもとに戻すのが歯周組織再生療法です。
Case1
Case2
重度の歯周病
※歯周病によって骨が溶けてしまった時の模型です。実際に模型がございますのでお気軽にご相談下さい。
右のように、骨がとけてしまったことによって、白くないところつまり歯の根っこが見えてきてしまっています。ちなみに歯茎は取り除いた状態の模型です。
歯肉の切開
歯肉の剥離
歯根表面の清掃
エムドゲインゲルの
塗布
縫合
7 | 6 | 5 | 4 | |
Lingal | 944 | 763 | 333 | 333 |
---|---|---|---|---|
Facial | 934 | 933 | 333 | 333 |
Recession | 2 | 1 | ||
MGJ | 5 | 5 | 4 | 4 |
Mobility | ||||
Furcation |
①このように歯周病によって骨がとけています。このように歯茎を少し剥がして、中の感染物質を完全にとり除きます。
歯周病が中等度から一部重度の時が歯周組織再生療法が効果を発揮すると思われます。
全体的に重度になってしまうと再生療法自体が難しい、もしくは効果がないことがあります。早めにご相談ください。
②感染物質がとり除かれた後の穴に、人工骨や自身の骨を入れて、メンブレンという遮断膜を置いて歯茎を縫います。
7 | 6 | 5 | 4 | |
Lingal | 333 | 333 | 333 | 333 |
---|---|---|---|---|
Facial | 333 | 333 | 333 | 333 |
Recession | ||||
MGJ | ||||
Mobility | ||||
Furcation |
歯周外科(歯周組織再生療法)によってこのように物理的な回復、再建が必要です。レーザーや殺菌水はこの前段階の処置としては、有効かもしれません、物理的な回復には再生療法に優位性があると考えます。レーザーや殺菌水を患者様が好む理由はおそらく手術がないという点ではないでしょうか?
しかし、欧米や世界のトップの歯科医師もこのような歯周外科を行います。
また、近年マイクロスコープの利用により痛みや腫れの少ない方法などがとられるようになっています。
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虫歯や歯周病などで失ってしまった歯を補い、咬んだり話したりする機能を回復する治療を欠損補綴治療と呼びます。
インプラント治療とは、その一つで他の歯に負担をかけることなく機能回復が可能な唯一の方法です。生体親和性が高いチタンでできた、人工歯根を顎骨に埋め込み、3〜6カ月を経て骨と直接結合させた後、歯冠を作製する治療です。簡単な手術が必要ですが、自分の歯と同じような感覚の咬み心地、快適さを得ることが可能です。
また、第3の永久歯と表現されることもあり、昨今、欠損補綴治療のファーストチョイスになりつつある治療でもあります。
一般に上記のように歯を失った部分を補うものと認識されていますが、
など様々な場面で応用され治療法として大きく広がりつつあります。
歯を失った部分を補う、欠損補綴治療3つの方法を考慮していく必要があります。
入れ歯は本来力を受け止める機能のない歯茎の上に床を乗せるため、強く力をかけすぎると痛みますし、弱い力では硬いものなどは自由に噛めません。
これが入れ歯の最大の難しさです。ちょうどよく力が適度にかかりものをうまく噛むということをするのはとても難しいものです。
歯があったころの20~30%くらいの力になるとの報告もあります。
ブリッジは両隣の歯を削り、本来の自分の歯に力がかかるため、範囲が最小限の場合(1本だけを補って、3本の歯をつなげている場合)はほとんどご自身の歯があった時と変わらずに、噛むことができるとさます。噛む力は80%以上回復されるのではないでしょうか。
しかし、本来1本1本独立しているセンサーが3つにまとまってしまうためセンサーの繊細さが失われ、力をうまくコントロールできないことや、力のかかり方がご自身の歯とは違います。
そのため、ブリッジをつけているセメントの劣化などにより、長期間でみればセメントの破壊などにより虫歯になってしまったりすることも考慮しなくてはいけません。また何本もの歯をブリッジでつなぐことは危険性が大きく増すために、避けるべきです。その場合は、インプラントを使いできるだけ、ブリッジの範囲を減らすことが懸命です。
インプラントはご自身の歯と同じもしくはそれ以上の力をかけることが可能です。つまり100%以上ということです。
そのためなんでも噛めると言えるでしょう。様々な研究をもとに生体に適合するネジ状のものを骨に埋め込むためです。
では、インプラントは最高な治療法かというとそうではなく、インプラントの最大の欠点は歯根膜という歯にどのくらいの力がどの方向からかかっているのかを感じるセンサーがないことです。
そのため、必要以上の力がかかり、インプラントの被せものやインプラント自体が破壊されることがあります。
つまり、歯を失ってしまった場合積極的に行うべき治療であるが自身の歯を超えるようなものではない、あくまで人工物であることを考慮することが必要です。
しかし、場合によってはインプラントを使用することが残った歯を守ることになります。
ここの部分の理解が患者様には難しいようですが、まずはご自身の歯を保存することを試みる、それが上手くいかないもしくは、有益でない場合はインプラントを使用する。もしくはすでにない部分には積極的にインプラントを使用する。という理解が正しいでしょう。
インプラントは一生持ちますか?昔よく患者様から聞かれた質問です。
答えは「わかりません」です。
冷静に考えてください、何歳の方に行うのでしょうか?どのようなお口の方に行うのでしょうか?男性でしょうか、女性でしょうか?硬いものが好きな方ですか、柔らかいものが好きな方ですか?噛む力の強い方ですか、弱い方ですか?歯磨きが上手な方ですか、そうではないですか?メインテナンスに応じる方ですか、そうではないですか?その後の治療やメインテナンスに費用をかけられる方ですか、そうではないですか?など少し考えただけでもいろいろな条件が違います。
これは歯科治療全般に言えることですが、その方によって条件が違いすぎるためにその治療がどの程度異常なく経過するかはわかりません、ただ言えることは適切な治療を行う方が、不適切な治療を行うよりは結果が良いことです。通常10年は使用していただけるように考えております。20年またはそれ以上使用している方もたくさんいらっしゃいます。
そのため、当院ではインプラント10年保証制度を導入しております。
しかし使用状況によっては、それが難しい場合もあります、それは喫煙をしている方やメインテナンスにいらっしゃらない方などです。詳しくはご相談ください。歯科治療全般に言えますがこのようなことを詳しく説明しない歯科医師はそれを考えていない可能性があります。その方にとっていつの時期に、どのような方法のインプラントをどの部位に行い、その後その患者様がどのようにして年齢を重ねていくのかなどを考慮する必要があります。
インプラントの治療結果はきれいに仕上がるのでしょうか?
インプラントの成功の基準が世界的に決められていますが、その中にも患者、術者(治療を行った歯科医師)ともに満足のいく見た目かどうかが基準に入っております。
これも歯科医師、患者様により、基準が変わってきます。
インプラントであることが全くわからないようにすることも可能です。
しかし、骨が十分あるのか、歯茎が厚いかたなのか薄い方なのか、歯磨きが上手な方なのか、見た目にどれだけこだわる方なのか、費用をどのくらいまでかけられる方なのかなどによって大きく変わってまいります。
詳しくはご相談ください。
または、治療例などを参考になさってください。
初診時
再評価
診断用Waxupを元に実際の手術の計画をたてるためのサージカルガイドができてきます。
これを作らないでインプラントの手術に望む歯科医師もいるようですが、それはあまり推奨されません。なぜかというと事前に客観的な診断ができないためです。
口腔内と模型可能な限り一致していることが重要です。
このサージカルガイドは実際にインプラントを入れた後の最終的な形を再現しています。
これによって、歯肉、歯槽骨などがどれだけ不足しているかを見て歯肉、骨の増大が必要かどうか、または必要な場合そのくらい必要なのかを考える材料にもなる。
これを口腔内に入れた状態でCT撮影を行います。
このサージカルガイドの必要部分にはバリウムが入っているために、その部分があたかも歯があるかのように撮影されます。
サージカルガイドを入れてCTを撮影したものが下の画像になります。
CTを撮った後、インプラントの正確なシュミレーションのためにインプラントシュミレーションソフトSimplant®に変換し、
術前にインプラントのサイズ、方向、深度、などをシュミレーションする。
神経と血管などの解剖学制約を、ソフト上で描くことができる。
そこに各種メーカーから 提出されたデータにより、CT上に実際のインプラントの形やサイズで描くことができる。
インプラントを行う予定の部分に歯肉や骨が足りない場合には、術前に組織増大(Ridge Augumentation)を行います。
一次手術とはインプラント自体を骨に埋める手術です。
二次手術とはインプラントにキャップをつけて、お口の中に出す手術です。
インプラントが歯肉を貫通する部分の形を作るのと、
しっかり口腔内で機能するかを確かめるために仮歯を作ります。
歯茎の形ができたらアバットメントという柱を立てて、その上に歯を作ります。
角度補正ができる点やアフターフォローの点でツーピース、スリーピースのインプラントが現在、主流となっています。
ワンピースのものは、一般的ではありませんし、ワンピースインプラントにはいくつかの問題点が試適されているため、あまり推奨されません。
最終補綴後
インプラントのメーカーは現在、自動車などのように世界中に何百社を超えると言われるほど存在いたします。
私達、歯科医師の側としても一つの問題として捉えることがありますが、メーカーが多いことは許容したとしても、使用されているネジなどのパーツもメーカーごとに違うことがあるため、基本的には、そのメーカー専用のネジを回す道具やパーツを取り寄せたりしなければならないことや、そもそもそのインプラントがどこのメーカーのどの種類のインプラントかが不明であることもあります。
患者様に聞くとどこの歯科医院でいつの時期に行ったのかを覚えていないことや、歯科医院がわかってもそこの歯科医師自体がどこのメーカーのど種類のものかを覚えていない、記録していないということがあります。
これは、インプラントをしっかりした方法で行おうと考えている歯科医師からすると、大きな問題であり信じられないことです。
患者様はどこの歯科医院でいつの時期にどの歯科医師に行ってもらったなどを記憶しておいていただきたいですし、またしっかりと手術記録を残しており、インプラントメーカーや種類、ロットナンバーなどを記録している歯科医院でインプラント治療を受けることが必要です。
基本的にインプラントを行う場合、その歯科医院でインプラントだけではなくお口の中の問題全体を管理してもらうことを念頭に行うべきです。
またメーカーはできるだけ、メジャーなものを使用していることが望ましいです。
歯科医師はどのメーカーを自院で使用するか理由は様々ですが、一般的にはあまりマイナーなメーカーを使用する歯科医師・歯科医院を推奨することはできません。なぜかというと、会社自体がなくなってしまう、もしくは転勤、引っ越しなどで歯科医院を変えなくてはならなくなった時に、上記の理由でとても困るからです。
このあたりは一般の製品と一緒です。
また、現在は性能に関しては、メーカーにより、あまり大きな差はないとされているのが一般的です。
しかし、特別安価なものやワンピースと言われるインプラントは一般的に推奨されません。
ではメジャーなメーカーがどこかというのをあげることは難しいですが、ご自身でメーカーのホームページを見ていただくのも良いかもしれません。とくに本国や世界向けのホームページの方が詳しい傾向にあります。
当院ではアメリカ製の最高水準のインプラントZimmerbiomet社のインプラントを使用しています。
Zimmerbiomet社は整形外科分野で世界シェアNo.1を誇ることで有名です。
もともとはインプラントというのは、整形外科分野で骨などをつなぎ合わせるネジが始まりと言われています。
歯科分野に置いても、アメリカ、スペイン、イタリアなどの国を中心に欧米や我が国でも多くのシェアを持つメーカーと認識されています。
インプラントが我が国で盛んに行われるようになった当時からシェアを持つメーカーです。
ここまで本コンテンツを読まれた方はもうおわかりではないでしょうか?
インプラント自体の性能や価格などよりは、歯科医師の人間性、知識、技術が大きなファクターではないでしょうか。
インプラントのメーカーはできるだけ信頼できるメジャーなメーカーであること、インプラントのみではなく他治療にも対応できる歯科医院であること、手術記録などをしっかりと残している歯科医院であること。滅菌・消毒が行われていること、保証制度があること、手術室(インプラント手術の際貸し切りであることや個室、可能であれば手術室があることが望ましい)があることなどです。
インプラント専門を名乗っている先生などでも、インプラントのみ得意という先生よりも、歯科医療の性質上、歯周病、矯正、かみ合わせ、かぶせものもことがよくわかっている先生でないと良い結果は望めません。
インプラントは入れて終わりでは有りません。
5年後、10年後またその先の患者様のお口の中の未来を予想できる歯科医師に治療を受けるべきです。
当院では専用の手術室をご用意しております。
手術室といっても、医科の病院のようなものではなく落ち着いて治療が受けられるような空間を提供しております。
設備については妥協なく、世界のトップクリニシャンの歯科医師と同等な道具を準備しております。
などすべて妥協のない器具をご用意して手術に臨みます。もちろん手術などで使用する器具はすべて滅菌という処理を行い清潔なものを使用いたします。
また必要なものはすべてディスポーザブル(使い捨て)で使い回すようなことはございません。
歯科治療における手術、とくにインプラント治療においては異物を体内に埋め込むために、決して細菌を侵入させないようにしなければなりません。
そのため器具には医科の手術と同等に十分に配慮されるべきです。
また口腔内はその性質上完全に清潔な状態にすることはできないため、そのような部分にも配慮が必要です。
医科の分野でも移植手術の成功不成功の鍵は術後の感染管理と言われております。
我が国で国内1位の移植手術の成功率を誇る病院には感染管理だけの専門の科とチームが存在するくらいです。不清潔な環境下での手術は許されません。
インプラントは置換外科と言われる分野で整形外科などの人工関節の手術などに近いものと考えられます。
術前にSimplant®などのシュミレーションソフトにて、解剖学的に問題のない箇所を術前に十分に把握した状態で手術に臨みます。
手術は準備の段階でそのほとんどが決まるとされているため、術前の検査・診断、シュミレーションがとても大事です。
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