Periodontics

歯周病の改善のために
歯周組織精密検査

歯周組織精密検査

歯周病を進行させる原因は、細菌性のもの、力(非生理的な、不必要な)によるもの、悪習癖などの様々な原因によって引き起こされます。
病気を治癒させるためには、原因を探ることが大事です。しかし、最初から原因が簡単にわかることはほとんどありません。まずは、患者様の現在の状態を徹底的に把握することから始めなくてはなりません。
主には、歯肉ポケット、歯周ポケットと言われる部分を計ります。
またどの程度精密に行うかがとても重要と考えます。
当院では一つの歯に対して、全周計測する、6点法を常に採用し、歯周組織のわずかな変化を見逃さないように努めております。その数値により、治療方針や計画を立案します。
またそれに付け加え、ブラッシングの状態、磨き残しのある部位のリスク管理、口腔内の唾液、歯周病菌の状態などの検査などを加えることによって、問題をより絞り込んでいく必要があります。
またその時点での検査で全てがわかるわけではなく、継時的な変化といい(時間の流れの中でどのように悪化しているのか、改善しているのか)を知る為、適切な時期に何度か行っていきます。
一般的には歯周病治療の流れに従い、初診時、基本治療終了時、確定的治療(歯周外科、インプラントなど)、機能回復治療後に行われます。
歯周病の改善のためには、歯周組織の精密な検査が必要です。

歯周組織検査について

歯茎の中やその周囲をよく調べることで、歯周病の進行状況や回復状況をチェックします。

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歯周ポケットの深さや出血などから、
歯周病の進行度や炎症の
有無がわかります。

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検査を重要と考えない患者様へ

一般の方の思うイメージでは、優れた医師は瞬時に患者の状態、病気の原因がわかり、すぐに処置ができるというイメージがあるのではないでしょうか?それは、おそらく、ドラマなどで描かれるERのような救命救急や天才外科医などのイメージによるものと思われます。
もちろん、上記のような医師は優秀な医師であるのは、言うまでもありません。しかし、少し視点を変えて考えてみましょう。
ERは死と隣り合わせの救命救急であり、瞬時に今起こっている問題を特定し、その時最善の処置を行うことでしょう。しかしこれは、外傷や持病の急性症状などの緊急処置です。それにいたる原因を探っていく処置ではありません。
歯科の世界では、初診時急性症状の痛みを訴えて来院される患者様が多くいらっしゃいます。
その処置が緊急処置にあたります。しかし、この場合それに至った原因をさぐり、それを治療しなければ、対症療法で終わり、再度その症状、病気を繰り返すことになりますし、さらにその他の疾患を生む原因になりかねません。
天才外科医のすごい手術の場合は一番派手なところを描いているのであって、そこに至るには、臨床検査、内科医などによる身体の状態管理等を経て、確定診断の後行われるのが、手術です。むしろそこに至るまでの部分はとても重要です。ちなみに、もちろん天才外科医という医師は医科の世界でおられるでしょうし、歯科でも存在します。
医科のことは私にはわかりませんが、歯科の天才外科医と言われる医師であればあるほど、特殊技術を持っているだけではなく、基本を大事にし、教科書通りのことをどれだけ平常心で確実にいかなる条件でも変わらず行える医師のことのように思います。
つまり特別な異質なものでなくどれだけ、いつも通常通り行えるかと言うことです。歯周病の中等度までの状態を確実に治癒に導き、重度歯周炎の一部をプロトコール、論文に従い処置するということで、決して保存不可能な歯を不用意に保存することではありません。

そのため、どのような歯でも治せる、保存できるということではありません。総合的な判断をするためにもっとも大事なことは正確な検査と診断と考えます。

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歯周病と噛み合わせ
噛み合わせの検査

噛み合わせの検査

歯周病の原因の一つに噛み合わせが考えられます。
私たち人間は下の顎を動かすことによって様々なことを行なっています。それを下顎運動と呼びますが、主に2種類に分類されます。
基礎基本運動、機能運動です。基礎基本運動の方では、主には意識的に口を動かし、開閉口をしたり、横方向にこするようにする動きなどを言います。
機能運動は、発語、咀嚼、嚥下のような無意識下で行われるものです。
発語(母国語の場合)、咀嚼、嚥下の時にどのようにやろうと意識したことはないのでしょうか?
意識的になるとすれば、母国語以外の外国語を発音する時、痛い歯があってそれをさけて食事をとる、もしくは不適切な義歯(入れ歯)などが入っている時、嚥下障害が起こってしまっている時など、通常な状況ではありません。
ここでは歯周病に関連のあることを中心に考えてみます。
我々人間にとって最も重要なことは、咀嚼することではないでしょうか?
咀嚼をするためには、歯の周りにある歯根膜と言われる、脳神経由来の神経が食物を介して、圧力を受けることにより、歯根膜内の受容体(センサー)がそれを感じ取り、脳に情報を送ります。その後、脳からのフィードバックという情報を得て、どのくらいの力とリズムでどこで噛むかを決めています。そのために歯周病や悪習癖などによってセンサーが壊れてしまっている場合には、正常な情報のやり取りができなくなりますし、また脳からのフィードバック通りに咀嚼しようとすると痛い部分や先に当たってしまうような部位がある場合はそれを避ける動きをとるとされています。
それは体の組織を守るための人体の仕組みであると同時に、内科でいうところの自己免疫疾患のように自分で自分を破壊してしまう状況に似ています。例えば、強く当たるところの歯を揺らして、強くあたらないようにしたり、痛みのある歯などを避けるために他の歯の位置を変更してなんとかして、咀嚼のための圧力を受け止めるなどです。やがて、歯周病が先か、噛み合わせの問題が先かは別として、結果、歯の位置異常や咀嚼障害、歯周病の重篤化というような状態に陥ってしまいます。
歯周病はそもそも咀嚼をするために必要な歯周組織が侵されてしまい、歯が通常通り働きにくくなってしまっている状態です。
しかし、噛み合わせは、残念なことに目で確認することができません。そのため、可視化と言い、目で見える状態に検査機器を使用し、観察しなければ、わかりません。
よく、我々歯科医師の間もしくは患者様で噛み合わせが悪いという表現を使いますが、本来は噛み合わせが悪いと言うのは、専用の検査機器での検査なしでは言うことができないことを意味します。
おそらく一般的に噛み合わせが悪いと言うのは歯並びもしくは、基礎基本下顎運動時の歯の位置が良くないの意味であることが多いのではないかと考えます。矯正の項目で触れますが、前述の基礎基本運動と機能運動は分けて考える必要があると考えます。
ここでの噛み合わせはいわゆる機能運動の特に咀嚼運動の部分のお話です。
歯周病の状態が進行されている患者様は、下顎の基礎基本運動、機能運動ともに問題をおこしている場合が多く、精密な歯周病治療のためには、現在の状態を検査結果により把握し、なにがどの程度ずれているかによって治療計画を立てることが重要です。
歯科治療の目的の一番は咀嚼の回復ではないでしょうか?咀嚼状態の評価なしには治療の評価は正確に行えません。
歯周病、噛み合わせでお悩みの方は一度検査をされてみてはどうでしょうか?
お気軽にご相談ください。

咀嚼運動検査の例
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咀嚼筋検査の例
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咬み合わせの異常を確認する場合
  • 咬み合わせの位置の確認中

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  • 咬み合わせの位置の決定後
    ワックスを盛り上げてみたところ

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Periodontics

歯周病を改善するために
矯正

矯正

矯正治療というと、見た目を治すための治療で、小さい子供が行うもしくは、大人の女性がコンプレックス解消や美しくなるために行うというイメージをお持ちではないでしょうか?
もちろんそれはとても大事です。しかし、本来の矯正治療は、美容のためにあるわけではなく、れっきとした治療です。歯周病の改善にも矯正治療は切り離せないと多くの歯周病治療を行う歯科医師は考えています。
前述(噛み合わせの項)の下顎の運動(基礎基本運動、機能運動)が周りの歯周組織、顎関節、歯と調和していないと歯周病は悪化していくもしくは、改善しません。
そのため、歯周病を改善するためには、歯は正しい位置にあるべきであると考えられます。

① もともと正しい位置にない場合(幼少期より)
② 本来の位置から歯周病によって移動してしまった
③ 治療しないで放置してしまったなどの理由で動いてしまった
④ これから選ぶ治療によっては歯の位置が重要になってくる
⑤ 残っている歯を健康に保つために歯の位置が重要だ

などの時には矯正治療にて歯の位置を適切にする必要があります。
これによって、歯にかかる力が正常化し、周囲組織との調和を取りやすくなり、歯、歯周組織が長期にわたって維持安定する可能性が高まります。
某大学の矯正学の先生の研究によると、8020達成者の咬み合わせ(歯並び)をみてみると、その多くの方が正常咬合と言われる、正しい位置に歯がある人であったそうです。
※8020とは80歳で20本の歯が残っているようにしようという我が国で行われている、活動や運動(8020運動)
これは一つ、咬み合わせ(歯並び)が重要、歯を失わなくさせる要素として重要であることの後押しではないでしょうか?
歯周病でお悩みのあなたの咬み合わせ(歯並び)はどうでしょう?
また今までかかった先生にそのようなことを言われたご経験はございませんか?

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東京歯科大学病院教授 歯科矯正学講座 茂木悦子先生8020 No.14 2015-1より引用

矯正治療を計画する場合には事前に矯正専用レントゲン撮影や移動目標を考えて行います。下記のような検査、診断を行わないと、あくまで経験や勘に頼った治療結果になりがちです。経験豊富な矯正専門医が治療を担当させていただきます。
(院長は矯正治療を担当いたしません、矯正医についてはスタッフ紹介を参考になさって下さい。)

  • 初診時

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  • 矯正専用レントゲン
    セファロレントゲン

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  • 矯正治療の前の
    移動目標を決定する場合に
    作成する模型の例

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矯正例1
  • 初診時

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    ①奥歯がない状態もしくは、不適切な入れ歯などで、支えがない場合には前歯に過剰な力がかかり広がってきてしまいます。もともとはこのように間が空いていなかったと思われます。これをフレアアウトと言います。矯正治療が必要な状態と言えます。

    ②このように義歯などがはいっていなく何もない部分は歯がこのように伸びてしまったり、骨や頬が埋めるように張り出してきます。
  • 矯正終了の確認のための再評価時

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矯正例2
  • 初診時

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    ①奥歯がある状態であっても、噛み合わせや悪習癖などが存在する場合、前歯に過剰な力がかかり広がってきてしまいます。もともとはこのように間が空いていなかったと思われます。これもフレアアウトと言います。矯正治療が必要な状態と言えます。

    ②奥歯が内側に入り込んでしまっています、このような歯の連続性がなくきれいな馬蹄形を描いていない場合にも矯正にて修正していきます。
  • 矯正終了の確認のための再評価時

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Ceramic Brace

患者様が矯正治療を行う時に心配なさることの一つに見た目のことをおっしゃいます。
最近はあまり目立たないタイプのものがあるのをご存知ですか?

Ceramic Brace

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セラミックスを使用しワイヤーやブラケットと言われる歯につけるボタンなどを白く仕上げることも可能です。ご相談ください。

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詳しく知りたい方へ

噛み合わせの項で述べましたが、歯周病と噛み合わせには関連があり、そこで、少々複雑ですが、噛み合わせと咬み合わせ(歯並び)はわけて考える必要もあると言うことです。
咬み合わせと表現させていただきますが、いわゆる患者様向けには、歯並びと言った方が理解しやすいと思います。
そもそも、下顎の運動をスムースに行い、お口の健康が保たれ、自由に咀嚼、嚥下、発語を行うためには、顎関節、歯、歯周組織、咀嚼筋などの顔面周囲の筋肉が協調活動して行われる必要があります。
見た目である程度判断がつくのが歯並び(咬み合わせ)であり、見た目でわからないものを噛み合わせとしましょう。
つまり、歯並びがあまりよくなくても噛み合わせが悪くない人は存在すると言えますし、歯並びが一見良いように見えても噛み合わせが良くない人も言えると言えると考えます。
前者の例としては、歯並びは良くないが歯周病や咀嚼障害のない状態の患者。
後者の例としては、矯正治療や、補綴治療(被せ物などの歯科治療)で見た目の歯並びは綺麗になっているが、筋肉や顎関節とはうまく調和していなく、噛み合わせや嚥下、発語などの機能に問題をかかえていらっしゃる患者。
などいらっしゃいます。
顎関節症などと一般的に言われているものの中にもこのような症状を含むものもあります。
噛み合わせ、咬み合わせ(歯並び)にお悩みの方はお気軽にご相談下さい。

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インテリム/テンポラリー、トリートメント、
プロビジョナル・レストレーション
仮歯について

仮歯について

精密な歯周病治療、補綴治療(機能回復治療、被せ物治療)には仮歯での管理は必須です。
仮歯とは治療中にそれぞれの目的をもって使用される本物ではない歯のことを言います。
以下に仮歯の目的、種類、治療例をあげます。

歯冠補綴装置の製作に際し、形成された支台歯を暫間的に被覆するクラウンやブリッジ。

1診断や治療方針の確認
(歯科医師の考えた治療の方法や方針に間違えがないか使いながら判断する)
2支台歯の保護
(削られた歯はそのままにすると虫歯の菌が侵入してくるためそれを防ぐ)
3歯周環境の改善
(歯の形が適切でないと歯茎の形は整わず腫れてしまうので、仮歯によって歯茎の形を整える)
4咬合の保持
(長期間かみ合わせがないままになってしまうと顎が壊れてしまったり、元々持っているかみ合わせを失う、他の歯に負担がかかるため、一時的にでも早急にかみ合わせを回復する必要がある)
5審美性の回復
(前歯の治療の際に前歯がないままになってしまう、急に折れてしまったのを回復する。前歯の歯を入れる前にどのような歯になるかあらかじめ患者様と相談するため)

などを目的として作成されます。

(歯科補綴学専門用語集 第3版 2009 公益社団法人 日本補綴歯科学会 編)より引用

最終補綴物に置き換える前に、咬合、審美性、安定性、機能性などの観点から一定期間使用することを目的としてつくられる固定式または可撤式の補綴物。
オクルーザル・リコンストラクションでは治療上欠かせないものとなっている。
この補綴物は特定の治療計画の効果や最終補綴物の設計の確認のための補助手段に用いられる。
GTP-6ではプロビジョナルレストレーションという従来の呼び方をインテリム・プロセーシスinterim prosthesis(暫間補綴物)と改めている。

(新編 咬合学辞典 編集 保母 須弥也 より引用)

仮歯の種類
1インテリム/テンポラリーレストレーション
(まず一時的にでも歯が必要な場合に作る簡易の仮歯)
2トリートメントレストレーション
(治療中に意図を持ってお口の中に装着する仮歯)
3プロビジョナル・レストレーション
(治療の結果を実際確認、最終判断するための仮歯)

欧米諸国ではこのように主に3種類の仮歯を使い分けて、治療をすすめることが多いようです。現在、我が国でも学生教育、研修医の研修時期にもこのような仮歯を使用する必要があることは教育されていますが、現時点ではこの考え方は保険診療に積極的に取り入れられてはいないのが現状です。
もちろん、全員の患者様に必要なわけではありませんので、仮歯を装着する必要が無いケースもたくさんあります。
主に、歯周病治療が必要、保険外の精度の高い歯を入れたい、前歯にきれいに歯をいれたい、かみ合わせを治したいなどの方は必要になります。
また、他院にて作成された仮歯が合わない、なんの理由で何回作成するのかわからないなどのご相談も受け付けています。
お気軽にご相談ください。

当院での実例
  • before

    *
  • after

    *

この患者様は左の状態で何年もすごしていて大変困っていたそうです、しかも通院しているのにもかかわらずです。
仮歯は作ればその日のうちに壊れてしまっていたようです。食事はバナナやヨーグルトのような噛む必要のないものを食べていらしたそうです。
この方のような場合まず、歯がある状態にしてからでないと治療ができません。
そのため、まず最初にトリートメントレストレーションを全体に作らせていただきました。
普通の食事が取れるようになったとのことでした。
右の状態は治療終了ではなくこの状態から初めて歯周病治療や根管治療を始めていき、そのような土台となる治療終了後、すべて本物を作成します。もちろん、最終のかぶせものに関しては、再度どのような材料で作成するかは相談させていただきます。

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その歯本当に抜く必要ありますか?
歯周組織再生療法

歯周組織再生療法

歯周外科について

歯周病とは、歯茎と歯を支えている骨の病気です。
下図はいっけん問題なさそうに見えますが・・・歯肉を切開してみると歯をささえている骨がなくなっています。
歯周病の病態の特徴は、歯周病原性細菌に感染してしまった歯周組織はその細菌の作用と自身の免疫反応を含めた炎症によって、歯周組織の破壊を行なっていきます。
つまり一部は、自己免疫疾患のような状態で自身の体自体が、歯を支える歯槽骨という顎の骨を溶かしてしまいます。
細菌を取り除く一番確実で簡単な方法は感染してしまった歯を抜歯(抜く)することです。
しかし、歯周病患者様の多くは、歯の保存を希望されますし、実際に感染ある歯を積極的に抜いていってしまっては、歯周病は治りますが、歯を失い、今度は機能障害(とくに咀嚼、発語ができなくなる)が起きてしまいます。そのため、患者様、歯科医師双方の願いは感染を取り除き、健康な状態に戻し歯の抜歯を避けることを望んでいます。
ではどのようにすれば、歯周病原性細菌を取り除き、感染を取り除くことができるでしょうか?

  • *

  • *

徹底的に細菌の除去を行うことです。
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歯を残すための治療は保存修復(虫歯治療・根管治療)、歯周病治療が基本になります。
左図のような構造をしている歯は実は、このような一般的な図で見るほど単純ではなく、中には、無数のミクロン単位の管や溝、穴が通っています。

そこに細菌が住み着いてしまったものを取り除くことはそう容易なことではないのです。
歯の中の感染を取り除く治療が根管治療であれば、歯の外側の感染を取り除くのが歯周病治療です。
歯周病治療の基本は歯石を取り除き、感染した歯の表面をきれいに研磨や削ることによって細菌を減らし、細菌はもちろん、自身の過剰反応を止めることにあります。

一般の方が想像するとすれば、何十年も専門的な清掃を受けてこなかった、昔ながらの中華料理店の油汚れを完璧に取り除き、開業当時のようなきれいな状態に回復できるでしょうか?もしくは海のテトラポットについたフジツボをすべて取り除き、これもまた新品のような状態にできるでしょうか。しかも海に浮かんだ状態のままです。
決して言い過ぎではなく口腔内という湿潤状態で湿気がとても多く、菌の宝庫である場所でお掃除をするのが歯周病治療であり、その最高峰が歯周外科処置のひとつである歯周組織再生療法です。

どのように細菌を除去していくのですか?

口腔内には億単位の細菌が住み着いています。まず、歯が有る限り我々人間は歯ブラシによってブラッシングをすることで、細菌の停滞を防がなくてはなりません。そのため衛生士や歯科医師と協力をして適切なブラッシングを身につけていただく必要があります。
これをセルフケアと言います。
その一方で我々プロの行う細菌除去の方法をプロフェッショナルケアと言います。
このどちらもかけてはいけないもので、歯科医師や衛生士がいくらプロフェッショナルケアを行っても患者様がセルフケアを怠れば、治癒へは向いていかないし、もちろん患者様のブラッシングだけでは当然治癒していきません。
セルフケアの部分では効率的、効果的にブラッシングが行えるようにプラークの染め出しによる歯ブラシ指導、歯ブラシの処方、細菌検査、効果的な洗口剤や薬などを併用して細菌の除去を行っていきます。 プロフェッショナルケアでは一般的に歯周病の細菌除去のステップは治療を中心に考えると3Stepで考えていただけるとわかりやすいと思います。

  • 健康な状態

    健康な状態
    歯ぐきが引き締まった
    健康な歯周組織
  • 歯肉炎

    歯肉炎
    歯ぐきが腫れる
  • 初期歯周炎

    初期歯周炎
    歯周ポケットが深くなり、
    歯ぐきの下にも歯石がつく
  • 中程度歯周炎

    中程度歯周炎
    歯ぐきの腫れが進み、
    骨もやせ始める
  • 重度歯周炎

    重度歯周炎
    歯ぐきも骨もやせ、
    歯を支える力が
    なくなってくる
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  • Step1

    超音波スケーラー、手用スケーラーなどの専用器具にて、無麻酔で歯石、プラークの除去を行なっていきます。
  • Step2

    歯周ポケットが深くなってくると、無麻酔では痛みを伴うため、麻酔下でStep1より詳細に歯石、プラークなどの除去を行います。
    近年、マイクロスコープの発展により、マイクロスコープ下での歯石除去を行うことが有効であることが示されるようになりました。
    場合によっては以前であったら、歯周外科処置でしか取り除けなかった感染も取り除くことが可能になってきています。
    当院においては、このような処置でもマイクロスコープを積極的に使用して行なっていきます。
  • Step3

    以前より論文などで言われていることですが、歯石や汚染物を完全に取り除き、感染を除去するには、Step2までの治療では、見えない部分の取り残しが出てしまうとされています。
    今日では上述のようにマイクロスコープなどを使用した、拡大診療が発展してきたために、Step2までの段階でかなりの感染を取り除くことが可能になってきました。しかし、やはり、歯茎の中の深い部分の感染を取り除くためには、歯茎を開く歯周外科というものが必要です。また近年、レーザーや殺菌水を利用して歯周病を治すことができると謳う歯科医院も散見いたしますが、その効果はここでいうところのStep2の部分の付加治療と言えるでしょう。あくまで歯周外科を凌ぐ効果があると言えるものではないと考えます。
    そのことは日本歯周病学会でも患者様の誤解を招かないように声明を発表しています。歯周外科とは何かについて詳しく見ていきましょう。
歯周外科が必要と判断される場面
1歯周ポケットが深い部位にある場合
2再生療法の適応と判断し、骨の造成が見込める場合
3歯肉の中にまで虫歯が進行している場合
4軟組織(歯肉や小帯等)の状態が、口腔清掃の妨げになるような場合
5歯肉のラインが不揃いで、審美的でない場合
6歯肉の下の状況がエックス線写真などでははっきりしないもの

などの場面で非常に有効な治療法で、欧米諸国では当然のように行われるようです。
しかし、我が国では、一般的というまでにはなっていないのが現状のように思われます。理由は

① 歯科医師自体がその治療を行う、知識、技術を持っていない、または必要であると考えていない
② 保険診療の範囲では必ずしもこのような治療を行う環境にない
③ 患者様側の知識の不足などにより積極的に受けようと考えにくい

などの理由があるように考えられます。

歯周外科治療

歯周基本治療後の再評価の結果に基づいて必要に応じて歯周外科治療へ移行します。
歯周外科治療は、以下のような場合必要になります。

1歯周ポケットが深い部位(4mm以上)がある場合
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根面を直接みて、歯石の取り残しや悪くなった歯肉を除去します。 炎症を除去し、キレイになった根面に歯肉が付着することを期待します。

2再生療法の適応と判断し、骨の造成が見込める場合
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再生療法とは失われた骨を取り戻すための手術です。歯周組織検査などの結果から、適応症と判断された場合、EMDやGTR等の再生療法を行います。
他の術式ではわずかしか期待出来ない骨の再生が得られる場合があります。写真はエムドゲインゲルを用いた再生療法後に矯正治療を行ったケースです。

3歯肉に中にまで虫歯が進行している場合
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虫歯が深い(歯茎の下まで進んだ虫歯)場合、そのままでは全てを取り除くことが出来ません。
歯肉や歯槽骨の位置関係を変えて、虫歯を取りきれる状態にします。写真は外科処置後に仮歯を入れたところです。
(虫歯が深すぎてしまう。もしくは残る骨の量が少なくなってしまう場合は抜歯になります。)

4軟組織(歯肉や小帯等)の状態が、口腔清掃の妨げになるような場合
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歯に近い部位まで小帯が延びてきていたり、歯肉が軟らかい粘膜になったりすると、歯ブラシ当たって痛いため、十分なブラッシングが出来ません。
このような時は、しっかりした歯肉をその部位に移植し、歯磨きしやすい環境を整えます。

5歯肉のラインが不揃いで、審美的でない場合
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患者様の審美的要求が高い場合、歯と歯肉の位置を左右対称に整えたり、歯を美しい形に調整したりすることができます。
写真のケースは、仮の歯にした後に歯肉のラインを整え、歯肉が治ったところで最終的にセラミックスの冠をセットしました。

6歯肉の下の状況がエックス線写真などでははっきりしないもの
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右上のX線写真では前医より経過観察することを勧められたそうですが、小臼歯の根の先が黒く写り種々の条件より歯が割れていることを疑い、
アクセスフラップ(確かめるために歯茎を開く歯周外科)を行いました。すると、案の定、歯が割れているのを確認することができました。
もし、発見が遅れて経過観察を続けると骨を大きく失うことになっていたでしょう。

歯周組織再生療法

歯周外科が必要な場面の2で紹介させていただいた歯周組織再生療法について詳しく説明いたします。近年、歯の保存を強く希望される患者様や歯茎の美しさまでを求めるニーズが広がりつつあります。その中でも歯周組織再生療法は患者様の歯を保存したいという希望を叶えるためには、なくてはならないものです。
患者様、歯科医師双方のニーズのせいもあり本法に用いる、再生のための生体材料や、術式(手術の方法)などの多くが世界中で発表されるようになりました。また昔であれば、できなかったようなことが実現できるようになった報告も多く見られます。
その術式や材料の知識、技術をいち早く取り入れ、患者様に提供することが、歯を保存することを専門とする歯科医師には必要と考えます。
前述のように歯周病治療の基本は歯の外側の感染を徹底的に取り除くことです。それとは別に物理的に失われた骨を回復することによって、歯の物理的強度を回復しなくてはなりません。
というのは感染をとりのぞくことにより、周囲の歯肉、歯根膜の状態が健康な状態に戻ります。そのためある程度の、物理的強度は回復するのですが、単純に支えている骨が少なければ、歯の揺れは抑えられません。その場合は健康な歯と被せ物などでつなぐことで、補うことをするのですが、本来歯は自然の状態ではつながれてはいません、そのため、歯の十分なセンサーを働かせるためには、本来歯のあった状態に戻す必要があります。骨の失われた状態を図で示します。その失われた部分をもとに戻すのが歯周組織再生療法です。

骨欠損のいろいろ(骨の溶け方のいろいろ)

Case1

  • *
  • *
    *
  • *
    一部再生の可能性が
    あります
    *
    こちらは抜歯するべき
    歯です

Case2

  • *
    正常範囲内~軽度
  • *
    *

    重度の歯周病

  • このタイプの骨欠損を水平性の骨吸収と呼び、現在骨を回復させることは不可能とされています。
    徹底的な感染除去の後、メインンテナンスにて維持していきます。

※歯周病によって骨が溶けてしまった時の模型です。実際に模型がございますのでお気軽にご相談下さい。
右のように、骨がとけてしまったことによって、白くないところつまり歯の根っこが見えてきてしまっています。ちなみに歯茎は取り除いた状態の模型です。

歯周外科手術
  • 歯肉の切開

    *
    治療する部分の歯肉を
    切開します
  • 歯肉の剥離

    *
    切開した歯肉を
    剥離します
  • 歯根表面の清掃

    *
    歯根表面を
    清掃します
  • エムドゲインゲルの
    塗布

    *
    エムドゲインゲルを
    塗布します
  • 縫合

    *
    切開した歯肉部分を
    縫合します
歯周組織再生療法臨床例
  • *
  • *
  • *
  • *

赤い線のところまで骨が溶けています。

7 6 5 4
Lingal 944 763 333 333
Facial 934 933 333 333
Recession 2 1
MGJ 5 5 4 4
Mobility
Furcation
*

①このように歯周病によって骨がとけています。このように歯茎を少し剥がして、中の感染物質を完全にとり除きます。
歯周病が中等度から一部重度の時が歯周組織再生療法が効果を発揮すると思われます。
全体的に重度になってしまうと再生療法自体が難しい、もしくは効果がないことがあります。早めにご相談ください。

②感染物質がとり除かれた後の穴に、人工骨や自身の骨を入れて、メンブレンという遮断膜を置いて歯茎を縫います。

  • *
  • *
  • *
  • *

黄色の線まで回復しました。ほぼ正常な状態です。

術前が赤の線です。
赤色のところから黄色のところまで再生が得られたと考えます。

7 6 5 4
Lingal 333 333 333 333
Facial 333 333 333 333
Recession
MGJ
Mobility
Furcation

歯周外科(歯周組織再生療法)によってこのように物理的な回復、再建が必要です。レーザーや殺菌水はこの前段階の処置としては、有効かもしれません、物理的な回復には再生療法に優位性があると考えます。レーザーや殺菌水を患者様が好む理由はおそらく手術がないという点ではないでしょうか?
しかし、欧米や世界のトップの歯科医師もこのような歯周外科を行います。
また、近年マイクロスコープの利用により痛みや腫れの少ない方法などがとられるようになっています。

Periodontics

自分の歯のような感覚に
インプラント

インプラント

失った歯を回復する、残った歯を守るインプラント治療

虫歯や歯周病などで失ってしまった歯を補い、咬んだり話したりする機能を回復する治療を欠損補綴治療と呼びます。
インプラント治療とは、その一つで他の歯に負担をかけることなく機能回復が可能な唯一の方法です。生体親和性が高いチタンでできた、人工歯根を顎骨に埋め込み、3〜6カ月を経て骨と直接結合させた後、歯冠を作製する治療です。簡単な手術が必要ですが、自分の歯と同じような感覚の咬み心地、快適さを得ることが可能です。
また、第3の永久歯と表現されることもあり、昨今、欠損補綴治療のファーストチョイスになりつつある治療でもあります。

一般に上記のように歯を失った部分を補うものと認識されていますが、

  • 残っている歯を守る
  • 補綴治療(かぶせもの)の簡素化
  • 審美治療への応用
  • 矯正治療への応用
  • 義歯を支える

など様々な場面で応用され治療法として大きく広がりつつあります。

*
歯周病とインプラント治療

歯周病治療によって病状を安定させた歯を長期的に維持するためには、多くの歯をつなぐ長いブリッジや義歯を避け、残った歯の負担を減らすことが大切です。
インプラント治療を応用することで、残った歯の負担を減らしそれらを守る役割を果たすことが可能となります。

また、失った部分のみに注目してインプラントを埋入してもよい結果は得られないことが多いのです。
特に奥歯を失っている方はインプラント治療は非常に有効で、歯周病治療を成功に導く鍵となります。

インプラント予定の部位以外の歯の歯周病、虫歯、かみ合わせの状態を適切に検査診断することが大切です。

周囲の状態を考慮せずにインプラント治療を行うとそれ自体の意味自体が薄れてしまうもしくは、まわりの治療をしづらくしてしまうことすらあります。

当院では、口腔内全体をトータルに考え治療する必要があると考えております。

最後にインプラント治療はひとつの治療手段であり、ご自身の歯を残すことよりも優先されるべきものではありません。
あくまで、天然歯の保存(ご自身の歯を残す)が最優先であり、インプラント治療をうまく活用し快適な生活を手にしてください。

インプラントが有効な場面
EX-1本歯を失ってしまった、もしくは抜かなくてはいけないと言われてしまった。
しかし隣の歯を2本削るのには抵抗がある・・・
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非常に多いケースですが、この場合には

①左右の歯が天然歯のままかすでにかぶせものや根の治療がされている歯かということ。
②全体的に歯周病の状態がどうであるか、特にインプラントを選択する場合周囲の状況。
③患者様の年齢

などを十分考慮したうえでメリットが大きい場合インプラントを選択することが推奨されます。

EX-2奥歯を失ってしまった。入れ歯に違和感があったり食べづらい、
しゃべりづらいなどでたびたび外してしまう。
入れ歯を入れなくても食べるのに不自由しないから入れてない・・・
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こちらもよくあるケースです。下図のように特に後ろの歯2本失っただけでは、食事をすることにはほとんど不自由しません。歯がないからといってすぐには痛くなることもありません。
しかし、このことこそが、歯を失わせる大きな原因になってしまいます。
冷静に考えていただければ大変簡単なことなのですが、歯は顎を支えています。特に奥歯は顎を支えることと、咀咽をするために絶対になくてはならない歯です。
下図のように右下の歯を失い、もし入れ歯を普段から外したり、入れなかったりしたとしたら、左の奥歯など残っている歯に大きな負担がかかることは必然です。
さらに反対の顎の歯(右上の歯)があるとしたら相手を失ってしまうために位置が変わってしまい、さらに崩壊が進んできます。
つまり、失ったところには、基本的には必ず歯を入れる必要があります。そのため、下図のような場合入れ歯が何かしらの理由で入れられない場合はインプラント治療を行う必要があります。

EX-3入れ歯に違和感があったり 食べづらい、しゃべりづらい、
安定させたいなど困っている・・・
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重度の歯周病などで歯を失ってしまうと、歯を支える土台になる骨をほとんど失ってしまった状態で総入れ歯を守ることになります。
そのため、安定しづらかったり、しゃべりづらい、食べづらいということが起きてきます。
これは、歯を失ったことで、顎の位置が安定しなくなり、舌の動きが退化し、歯がないために咀咽リズムを作るための刺激が送られにくくなってしまうことも関わっています。
必ずしも、歯科医師の技術の問題だけで、解決できない場面が多く存在します。
そのため、このような場合咬める入れ歯を作るためには顎の位置取りから本格的に作る必要があります。その場面で場合によってはインプラントを使用して安定させるもしくは、すべてインプラントにするなどの方法をとることが可能になってきています。
そのため、入れ歯でお困りの場合はインプラント治療を行うことを検討してみるのも良いかと思います。

インプラント治療臨床例
Intra Oral Photographs
初診時
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Full Mouth Series & Periodontal Examination First Visit

横にスワイプしてご覧ください。

7 6 5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6 7
Lingal 666 434 436 333 333 333 333 333 333 333 363 689
Facial 579 333 333 333 333 333 333 333 623 333 333 1068
Recession
MGJ
Mobility
Furcation
*

横にスワイプしてご覧ください。

7 6 5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6 7
Lingal 999 333 333 333 333 333 333 336 936
Facial 933 333 633 333 336 633 633 333 933
Recession 1
MGJ
Mobility 2
Furcation
Intra Oral Photographs
最終補綴後
*
Full Mouth Series & Periodontal Examination First Visit

横にスワイプしてご覧ください。

7 6 5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6 7
Lingal 334 333 333 333 323 323 333 323 333 333 333 333
Facial 333 333 333 333 333 333 333 333 323 333 333 333
Recession
MGJ
Mobility
Furcation 1 1
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横にスワイプしてご覧ください。

7 6 5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6 7
Lingal 334 333 333 333 323 323 333 323 333 333 333 333
Facial 333 333 333 333 333 333 333 323 333 333 333 333
Recession
MGJ
Mobility
Furcation
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